20190305#1
前日に鑑賞した映画の影響で、その日、彼は影の色をした異国の友人が欲しいと願っていた。
帰り道、彼が中央公園の噴水の横で瞑想をはじめると、何やら早口で呪文を詠唱しているような声がしたので、目を開けると、影の色をした人々が座り込んで話していた。
彼は人々に、「あなた方の言葉が気に入った。グルーヴがある」と告げると、人々の中の一人が彼の肩を抱き寄せ、酒を勧めた。
しばらくの間、彼は人々と話をした。
人々が彼の歳を尋ね、彼が三十であると答えると、人々は一様に驚き、彼がもっと若く見えると伝えた。
そうなのだ、彼は三十の年頃なのだ。
彼の青春時代は幕を閉じた。
そして、これからは、新しい時代がくる。