ピュレグミおじさんの備忘録

おじさんの赤裸々日記です

2019-03-01から1日間の記事一覧

20190301#2

彼は一人、深夜の湖畔で煙を吹かしながら、自分に言い聞かせた。 「良いも悪いも本当は無いもの。無いものに判断を与えるのは内なる声。それは聖霊のささやき」 そうして彼は短い瞑想に入った。 彼の主観の世界には、静寂以外の性質は存在しなかった。 その…

20190301#1

「求めれば、与えられる。しかし何故、与えられないのだろう」その時彼は考えていた。 そしてすぐに、一つの簡単な答えに達した。 彼は実は、求めてはいなかったのである。 その理由もまた、恐れであった。 恥をかくかもしれないという、架空の恐れである。 …

20190228#1

昨日、彼は機会を逃してしまった。 彼らしくもない、それが機会だと理解した上で、怖気づいてしまったのである。 彼は恥じた、そして、誓った。 「もう機会は逃さぬ、見つけたら、這ってでも掴んでやる」 すると彼の願いは届けられ、昨日の代替的な機会が、…

20190226#3

彼は一仕事を終え、休む間もなく次の仕事のために道路を歩いていた。 突如、目の前に光が差して、声が聞こえた。 「決断をなさいなさい、泥をかぶってもチャンスを掴むのか、汚れるのを厭い、今のままでいるのか」 彼はしばらく迷った末、泥をかぶることに決…

20190226#2

この頃、彼が出会う人はことごとく初心者であった。 朝、ダイナーでハンバーガーを注文しても、料理が出てくるまでには時間があった。 昼、レストランで決済をする際、ウェイトレスが機械の操作に戸惑っていた。 夜、バーに入り酒を注文すると、若い男は奥へ…

20190226#1

彼はこの日の朝、美容室の椅子に座って、散髪を終えたばかりの自身の姿を見た。 鏡の中の彼は、普段と少し雰囲気が違って見えた。 それはまるで、大いなる成功を築き上げた男の顔つきをしていた。 それを眺めながら彼は、再び、あの例の確信を抱いた。 鏡の…